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不動産所得の収入金額の計算

こんにちは。

前回、どのようなものが不動産所得に当てはまるのかを説明いたしました。

今回は、不動産所得の収入として申告しなければならない金額について説明します。

 

○不動産所得の計算方法

事業所得の計算と似ていますが、不動産所得の金額は以下の算式によって計算します。

 総収入金額-必要経費=不動産所得の金額

 

不動産の貸付等によって得られた収入の合計から、

貸付等を行うのに支払った必要経費を差し引いた残りの金額に対して、税金がかかってきます。 

 

○収入金額とは

 総収入金額という言葉が出てきましたが、不動産所得を計算する際には、平成26年中に収入することが確定した金額によって計算します。まだ実際に受け取っていなくても、支払期日が平成26年中に到来したものは、平成26年分の収入金額として申告することになります。

 具体的には、以下のように定められています。

 

【収入の時期の原則】

①    契約、その他慣習などで賃貸料の支払いの期日などが定められている場合には、定められた支払いの期日

②    支払いの期日が定められていない場合で、請求があったときに支払うべきものは、請求があった日、その他のものは、実際に支払いを受けた日

③    継続的に記帳をしているなど一定の要件を満たす場合は、上記①②にかかわらず、その年中の貸付期間に対応する賃貸料の額を計上することが認められます。

 

【特別な場合の収入時期】

①    頭金、権利金、名義書換料、更新料

不動産等を貸し付ける際に受け取る頭金、権利金、名義書換料、更新料等の収入の時期は、次の区分によって判断します。

(1)貸付物件の引渡しを要するもの…引渡のあった日(契約の効力発生の日の収入として申告することも認められます。)

(2)貸付物件の引渡を要しないもの…契約の効力発生の日 

 

②    敷金・保証金

不動産の賃貸を行う際に受け取る敷金や保証金は、本来は借主が退去する時に返還するものなので、賃貸収入ではなく単なる預り金として処理をします。

しかし、敷金について契約で下記のように定めている場合は、その年の収入金額に含めなければなりません。

(1)賃貸期間の経過に関係なく返還しない定めとなっている部分の金額がある場合

  (イ)貸付物件の引渡を要するもの…引渡のあった日(契約の効力発生の日の収入として申告することも認められます。)

  (ロ)貸付物件の引渡を要しないもの…契約の効力発生の日の属する年

 (2)賃貸期間の経過に応じて返還しない金額が増加するという契約になっている場合のその増加する部分の金額…増加することとなる年

 (3)賃貸借契約の解約などの時に、返還しなかった金額が(1)の金額を超えている場合のその超えた部分の金額…解約などのあった年

 

(具体例)

 ・平成26年5月30日に賃貸借契約によって敷金600,000円を受け取った。

 ・敷金の返還条件は以下のように定められている。

  <契約後返還しないこととしている部分>

   1年以内に解約…25%

   2年以内に解約…20%

   2年を超えて解約…15%

  

 【平成26年分の収入金額】

   600,000円×15%=90,000

      ※「契約期間が2年超の場合、15%は返還されない」となっているため、契約期間がどれくらいであっても敷金の15%は返還しないことが確定します。そのため、平成26年分の収入として申告する必要があります。

③    付随収入

アパート等の入居者から、水道光熱費や共益費の支払を受けた場合や、建物の破損によって受け取った実費弁償金などは、不動産所得の収入金額に含めます。

 また、賃貸借契約の解除があった際に明け渡しが遅れた場合に受け取った損害賠償金についても、不動産所得に含める必要があります。

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建物の貸付が事業として行われているかどうかの判定